2017年11月10日に行われた日本代表対ブラジル代表の試合の戦評というか個人的な感想です。
スタメン
日本
大迫
原口 久保
井手口
長谷部 山口
長友 酒井宏樹
槙野 吉田
川島
メンバー的には割と予想通りで守備をしっかりして、縦に早く攻めるという狙いが見えるメンバーでした。少し意外だったのが中盤の形で、井手口をトップ下において長谷部と山口のダブルボランチにしたところです。
ただブラジルの中盤がアンカーと2インサイドハーフの形にしてくることを考えれば、単純に誰が誰のマークに行くのかが当てはめやすく、理にかなっているとも言えるかもしれません。
ブラジル
G・ジェズス
ネイマール ウィリアン
フェルナン ジュリアーノ
ジーニョ
カゼミーロ
マルセロ ダニーロ
ジェメルソン T・シウバ
アリソン
ブラジルはいつものメンバーとはCBと右サイドバックと中盤が違いました。1.5軍?といったところなのでしょうか。それでもこのメンバー、豪華すぎますね。
圧倒的強さのブラジル
前半の立ち上がり、日本は前からプレスをかけますがブラジルの選手の技術や判断スピードのレベルが高く簡単にボールを奪うことができませんでした。
ブラジルの選手たちは1人1人の選手の技術のレベルが高いにも関わらず基本的なことを怠らないのです。パスを出したらまた動きなおしてまたもらいに行く、奪われたらすぐに奪い返しに行くということが徹底されていました。
ボールを受ける位置にしっかりと顔だして、距離感もいい位置でサポートしているのです。上手い上に基本に忠実、そして献身的に走り回る。最強ですね。
また、守備時のプレスのかけ方・コースの切り方も非常に上手く、チームとして連動して守備ができていました。恐るべしです。
チャンスと見るやいなや、仕掛けてくるカウンターのスピードもものすごく速いです。自陣にいたサイドバックの選手も気づいたらゴール前にいるくらいです。
本当は日本代表がやりたいことを全てやられていた感じがします。
このブラジル相手に、前半の早い時間帯での失点は痛かったです。そして、前半のうちに3失点。後手後手に回って打つ手なしという感じでした。
ブラジルが流し気味の後半は少し盛り返そうとして頑張ってチャンスも少し作れていましたが、力の差はあまりにも大きかった気がします。
ハリルの采配・メンバー選考には疑問が多い
ハリルホジッチ監督の采配やメンバー選考には、正直疑問が残ることが多いです。今回は井手口をトップ下に配置しました。高い位置でボールを奪ったり、プレッシャーをかけてコースを限定させて次で奪うというのが狙いだったとは思います。
トップ下をやるには狭いスペースでボールを受けて、ボールを捌くなり、相手をかわすなりしなくてはいけません。井手口は普段はボランチでプレーしているので、どちらかというと、トップ下よりも低い位置でボールを触ることが多いのです。つまり、狭いスペースでボールを受けることにあまり慣れてはいないのです。
それをいきなりブラジル戦でやらせるのは酷かなと。また、守備面でもプレッシャーかけにいっていいところかどうなのか?というのを迷っているように見えるシーンも見えました。井手口自身は頑張ろうとしていたように見えましたが。
この井手口の役割に一番適していたのは、今回ハリルホジッチ監督がメンバー外にした岡崎だったのでは?と思ってしまいます。岡崎がレスターでやっている役割がまさにこれに近い。
守備面でのハードワークしてコース限定したり、ボールもちゃんとつなげて、点も取れる。なんでハリルホジッチがトップ下で岡崎を試さないかが疑問で仕方ないです。
右サイドの久保もクラブとは違う役割で良さを発揮できているかといえば疑問ですし。右サイドは確かに誰がいいか微妙なところですが、だったら同じ選手(浅野とか)何度も試さないで新しい選手試してもいいんじゃないか?と言うところです。柏の伊東とか。
前にも原口のトップ下を試して散々だった時あったし、せめて選手がプレーしやすいように配置してほしいです。
限界が見えたアジア最終予選でのサッカー
やはりと言うべきなのか、今回のアジア最終予選でやっていた日本のサッカーの限界が見えた気がします。デュエルを重視して、固い守備で奪ってから縦に速いサッカーと言うのがハリルホジッチ監督のコンセプトです。
前からプレッシャーをかけて、縦に早く攻めるというのはもう今のサッカー界の常識的なところなので、これは絶対に必要なのですが、それだけを日本の武器としてW杯を戦うのは厳しいなと。
最終予選では、奪ったら前に送って大迫がキープすることで起点になっていたり、原口がドリブルで持っていったりと、個人の力に頼った攻撃が多かったように見えました。特に大迫への依存度が高い。
ブラジルのような相手だと大迫もキープするのは相当厳しいです。また、原口もアジア最終予選のようにボールを運ぶことはできませんでした。
また、アジアレベルなら個の力(特に井手口や山口)でボールを高い位置で奪えましたが、世界レベルではかわされることも多くあります。
攻守において、もっとチームとしての連動性が必要ではないかと。ハリルホジッチ監督は最終予選突破を決めた後、次のフェーズに入って行く的なことを言っていたが、次のフェーズが見えてこない。まだテストの段階なのか。。
デュエルも大事だがチームとして「個」の差をどう埋めるかが見えてこない
ハリルホジッチ監督のデュエルは絶対に大切です。1対1に負けないと言う意識は絶対に必要。ただ、どうしても今の日本代表の選手だとやっぱりワールドクラスの選手に技術面や身体能力だったりで劣ることは出てきてしまう。
それをどう埋めるかがチーム戦術として必要なのだが、それがあまり見えてこないのがモヤモヤするところ。攻守において連動性があまり見られない。
チームとしてどうプレッシャーをかけて奪うのかがもバラバラに見えたし、攻撃においては1人1人の距離が遠い。また、DFラインでのボール回しの時にみんなが前に行き過ぎで距離が遠くてパスをつなぎにくい状況になっているように見えるのです。
ブラジル相手でもいい距離感で連動した攻撃ができた時にはチャンスもできていました。
次のベルギー戦では「個」の差をチームとしてどう戦って埋めるのかが見えてくるといいなと思っています。
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