【クラブワールドカップ準決勝】レアル・マドリード(スペイン)対クラブアメリカ(メキシコ) 戦評という名の個人的感想

今日はクラブワールドカップ準決勝の欧州王者のレアル・マドリード(スペイン)対北中米カリブ海王者のクラブアメリカ(メキシコ)が行われました。レアル・マドリードの登場を心待ちにしていた日本のファンも多いのではないのでしょうか?私もその1人であります。今日はその試合の戦評というか、個人的感想を書いていきたいと思います。

 

 

スタメン

 

レアル・マドリード

                                  9.ベンゼマ

   7.C.ロナウド        17.ルーカス・バスケス

 

    8.クロース     19.モドリッチ

 

        14.カゼミーロ

 

12.マルセロ            2.カルバハル

     6.ナチョ    5.バラン

 

         1.ナバス

 

クラブアメリカ

    

    24.ベラルタ    9.ロメロ

 

  14.サンブエサ      30.イバラ

        7.ウィリアム

6.サムシオ           17.アルバラード

  12.ハブロ・アギラール 18.バルデス

         2.ゴルツ

 

        23.ムニョス

 

スタメンの感想と注目選手

 

レアルは手堅いメンバーできたという印象です。ほぼベストメンバーと言えるでしょう。対するクラブアメリカは、5バックという布陣を敷いてきました。これは守備を意識したフォーメーションなのでしょう。どちらもまずは守備ありきということかもしれません。注目選手は、レアルだと個人的にイスコ選手が好きなのですが、スタメンではないのでモドリッチ選手、クロース選手です。クラブアメリカは北中米カリブ海大会のMVPのサンブエサ選手です。

 

前半

 

クラブアメリカはレアルに対して引いて守るのかと思いきや、前からプレッシャーをかけてきます。特に両サイドバックやカゼミーロ選手にボールが入った時にはボールを奪いに行く守備をしていました。実際何回かそこで、ボールを奪いとってチャンスになりかけたシーンもありました。また、モドリッチ選手やクロース選手にも自由にやらせない守備をしていました。ガツガツボールを奪いに行く攻撃的な守備です。そして、前でボールがとれないと見ると引きます。戻りが早いのです。レアルはロナウド選手がポジションを色々と変えたり、サイドバックを使ったりと色々な攻撃を試みます。しかし、この守備に前半の25分頃まであまりレアルは効果的な攻撃ができませんでした。

 

クラブアメリカは攻撃でもチャンスになりかけたシーンが多く見られました。ボール奪うと、2トップのどちらかが少し下がってきて、ボールを受けます。アンカーのカゼミーロ選手の脇のスペースを使ってくるのです。4-3-3システムを敷くチームはアンカーの両脇が弱点になりやすいのですが、そこを使うという意図が見えました。2トップがボールをキープすると、中盤の選手やサイドバックの選手が上がってきます。特に、サンブエサ選手がボールを持った時には、リズムに変化がありチャンスになっていました。前半の半分以上はクラブアメリカのペースと言っても過言ではありませんでした。

 

しかし、25分レアルに大きなチャンスが生まれます。クラブアメリカのミスからボールを奪うと、ロナウド選手がサイドを駆け上がってきたバスケス選手にパスを出します。このパスが若干長めではあったのですが、バスケス選手が追いついて無理な体勢から絶妙なクロスを上げます。これをロナウド選手がヘディングで叩きつけて狙うのですが、ボールは惜しくもポストに当たってしまいます。ここから試合の流れが変わったようにも思えました。

 

クラブアメリカはレアルの攻撃の怖さを感じたのか、飛ばしすぎて疲れてきたのか、プレッシャーが段々甘くなります。また、クロース選手やモドリッチ選手がボールを受ける位置を色々と変えだしました。こうなるとレアルペース。ロナウド選手が自身のFKのこぼれ球から強烈なシュートを放ちます。これはクラブアメリカのGKムニョス選手が弾きます。それでも、クラブアメリカは反撃を試みます。ウィリアム選手が抜け出して遠目からシュートを放ちます。これはレアルのカゼミーロ選手がCBのカバーに入っていたため、ウィリアム選手は遠目から打つことができませんでした。カゼミーロ選手は攻撃面ではあまり良くなかったですが、守備のカバー範囲が広いのが使われている理由なのでしょう。

 

前半ロスタイムです。ここまでベンゼマ選手はあまり目立っていませんでした。しかし、大事な時に仕事をしました。モドリッチ選手からパスを受けたクロース選手が股抜きでスルーパスを通します。抜け出したベンセマ選手がつま先でゴールの右上に蹴り込んでレアルが先制します。クロース選手はトラップミスをしたようにも見えましたが、とっさの判断で股抜きのスルーパスを選択したのでしょう。また、これに反応できるベンゼマ選手もさすがです。レアルの地力を感じたシーンです。

 

クラブアメリカのペースで進んでいるように見えた前半ですが、レアルの底力が最後に、しかもロスタイムに発揮されました。やっぱりスーパースター達は大事なところで仕事をしますね。

 

後半

 

クラブアメリカは前半のようにプレスをガツガツかけてきません。点を取るためにあまり守備に体力を割きたくなかったのでしょう。反対にレアルのプレッシャーの方が良くなったように見えました。また、後半から修正してきたのか微妙なところなのですが、モドリッチ選手がカゼミーロ選手の近くにいるようになりました。前半はモドリッチ選手とクロース選手が上がった後のカゼミーロ選手の両脇のスペースを使われるシーンが多かったので、そこを修正したのでしょう。バスケス選手も下りてきて、4-4-2に変えたようにも見えました。

 

そして、なかなか攻撃ができなくなったクラブアメリカは早めの選手交代に出ます。9分に右サイドバックのアルバラード選手に替えて、MF登録のゲレーロ選手を入れます。ゲレーロ選手がボランチに入って4-4-2のような形になります。しかし、カゼミーロ選手もモドリッチ選手が近くにいるようになってからやりやすそうになって、クラブアメリカの攻撃をよく潰していました。それもあってか、クラブアメリカはあまり攻め込むことができません。16分にはイバラ選手に替えてキンテロ選手を投入しますが、流れは変わらず。レアルにカウンターで危ない場面を作られるシーンもありました。

 

そして、25分にはロメロ選手に替えてアロジョ選手が投入され、3-4-3のような形になります。ただ、これは個人的には失敗だったと思っています。前線に選手が多くなってしまい前線が渋滞しているようにも見えました。その結果、流動性がなくなって攻撃に手詰まり感がありました。また、前半とばしていたので、疲れがあったのかもしれません。レアルも1点勝っているので、リスクを冒すようなことはしませんでした。サイドバックが上がってもカゼミーロ選手やモドリッチ選手などがカバーしていましたし、ボールをとられた後にはすぐに守備に行っていました。

 

レアルは、27分にはクロース選手に替えてハメス・ロドリゲス選手、34分にはベンゼマ選手に替えてモラタ選手を投入します。どちらも疲れやコンディションの問題なのでしょう。モラタ選手は43分には、バスケス選手とのコンビで抜け出したマルセロ選手からのパスを受けて惜しいシュートを放っていました。そしてロスタイム、ハメス・ロドリゲス選手のパスに抜け出したロナウド選手がゴールを決めます。そして数分後に試合が終了しました。

 

得点(アシスト)

 

前半ロスタイム:ベンゼマ選手(クロース選手)

 

後半ロスタイム:ロナウド選手(ハメス・ロドリゲス選手)

 

スター選手を揃えながら守備もきっちりやるレアル

 

終わってみるとレアルが手堅い試合をしたな、という印象でした。スター選手を揃えながらも守備をきっちりやるところがすごいです。ジダン監督がしっかり指導しているのでしょう。また、ジダン監督に選手がしっかり付いてきているのでしょう。これだけのスター選手をまとめるジダン監督、すごいです。また、ベンチいるメンバーも豪華で見たい選手もたくさんいました。クラブアメリカは前半すごいよかったので、そこで点が入っていたら展開は違っていたかもしれません。ただ、とばし過ぎてだったから前半はペースを握れたのかもしれません。前半の25分くらいまで効果的な攻撃が少なかったレアルですが、ボールを回すことがボディブローのようにクラブアメリカにダメージを与えていたのかもしれません。

 

レアルの印象的な選手はバスケス選手とモドリッチ選手です。ベタかもしれませんが。バスケス選手の運動量はハンパないです。カウンター時には真っ先に駆け上がりますし、守備もやりますし、時には逆サイドまで来ます。そして、モドリッチ選手は本当に気の利いたプレーが多いです。守備時も攻撃時もポジショニングがいいです。また、前半クラブアメリカのあれだけのプレスを受けながらもボールをほとんど失わない。後半クラブアメリカがバテてきてからは、いい縦パスを何度も入れていました。そして、右足のアウトサイドのパス、オシャレですよね。

 

クラブアメリカ印象に残った選手は、サンブエサ選手もそうですが、ウィリアム選手です。守備の時は中盤の危険なスペース埋めてましたし、攻撃時もボールをキープしていいパスを供給していました。ただ、後半システムが変わったからなのか、疲れなのかはわかりませんが、ちょっと微妙な出来になってしまった印象を受けました。

 

イスコ選手を見るこことができなかったのは残念ですが、決勝の鹿島アントラーズとの試合も楽しみです。

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