2016-2017シーズンのセリエA第23節のユベントス対インテル(ユベントスのホーム)の戦評というか個人的な感想です。
スタメン
ユベントス
アレクスサンドロ リヒトシュタイナー
インテル
ペリシッチ ジョアン・マリオ
ダンブロージオ カンンドレーバ
ブロゾビッチ ガリアルディーニ
ミランダ メデル ムリーリョ
スタメンから見る注目ポイント
インテルは珍しく?3バックにしてきました。やはり守備をまずはしっかりということなのでしょう。また、サイドで数的優位を作ってそこから攻めたいというのがあったのでしょう。
ユベントスは最近はこの攻撃的なフォーメーションを使うことが多いようです。イグアイン、ディバラ、マンジュキッチ、クアドラードを前線に並べるという。このフォーメーションにしてからのユーべはまだ見たことがなかったので、楽しみです。
前半
立ち上がりの5分くらいまではインテルが意図してなのか、サイドからの攻撃で攻め込みます。そして、前からのプレッシャーも厳しめにいきます。特に、ダンブロージオとペリシッチの左サイド(ユベントスから見て右)から攻めようとしているように見えました。何本かチャンスになりかけていました。
しかし、徐々にユベントスがパスをつなげるようになってきます。主に左で起点を作って、そこから右サイドに大きく展開した時にチャンスができていました。そして、右サイドのクアドラードとリヒトシュタイナーがいい関係を保っているように見えました。
リヒトシュタイナーがボランチの脇あたりの低めでボールを受ける時は、クアドラードが開いてサイドの高めの位置でボールを受けます。逆のパターンもあります。クアドラードが中に入ったり、低めの位置でボールを受けたりした時にはリヒトシュタイナーが上がってきます。
右サイドからの攻撃のパターンも割と豊富で、早めのアーリークロス、ドリブルで抜いて深くえぐる、コンビネーションでかわしていく、などチャンスになりかけていました。
あと、ディバラが狭いスペースでボールを受けるのが上手い!そこで何人かかわしたり、ひきつけたりしてチャンスメイクしていました。また、左サイドはマンジュキッチが中に入ってポストプレーをして落としたとこにケディラ、ディバラなどが飛び出してチャンスになっていました。
本当にユベントスの攻撃パターンが豊富でした。前のユーべのサッカーのイメージと違いました。
対するインテルは左サイドからの攻撃、もしくはカウンター時にジョアン・マリオがボールをキープして時間を作った時にチャンスができていました。右からの攻撃はあまりなかったように見えました。
右サイドからの攻撃があまりなかったのは、選手のタイプによるところも大きかったのかなと思います。左の選手は割とサイドから突破する選手を配置していましたが、右のジョアン・マリオはどちらかというとゲームメーカータイプで中でボールを受けることが多く、サイドに流れて突破するタイプではないので。
ただ、ジョアン・マリオがタメを作ることでチャンスもできていたので、これはこれで良かったのかなとも思います。カンドレーバはこの試合あまり調子が良くなさそうでした。3バックにしたことによって守備の負担が増えたことも大きかったのかもしれません。
どちらもチャンスを作っていますが、なかなかゴールが割れないという展開が続いていましたが、前半の終了間際にクアドラードが素晴らしいミドルシュートを突き刺して、ユベントスが先制して前半を折り返します。
後半
後半、立ち上がりはどちらかというとユベントスペースで試合が進んでいきます。ただインテルも最後のところでゴールを許しません。3バックにしたことで、最後のところが固くなっています。ただ、中盤でボールが奪えなくなったり、前線でタメが作れずに攻め手に欠きます。ユベントスの守備も素晴らしいのですが。
後半の中頃を過ぎると、ユベントスはもう無理に前に出てこなくなってきます。このあたりの試合運びの巧さは、やはり王者の貫禄があります。アッレグリも守備を固めるような交代をします。クアドラードに替えてマルキージオを投入します。これにより、3ボランチ気味にして、ディバラを右に移します。
対するインテルは、ブロゾビッチに替えてコンドグビアを入れます。中盤でボールを奪いたいのと、前への推進力が欲しかったのでしょう。また、これと同時にカンドレーバに替えてエデルを投入します。これで、ペリシッチを右のウィングバックに移します。
勝負に出るインテルですが、なかなかビッグチャンスを作ることができません。ユベントスは全選手の守備意識が非常に高いです。前線からのプレスも効いていますし、ディフェンスラインも集中力を切らさない。
インテルはさらに、ジョアン・マリオに替えてパラシオを入れます。ユベントスはリヒトシュタイナーに替えてダニ・アウベスを入れて、さらにその後ディバラに替えてルガーニを投入します。
インテルは最後までユベントスからゴールを奪うことができずに1-0のまま試合が終了しました。
総評
セリエの試合ってもっとゆったりした試合のイメージがあったのですが、この試合はいい意味でセリエっぽくなかったです。どちらもハイプレスと素早いパス回しでチャンスも何本か作っていました。
特に前半は、緊迫感がありながらもどちらにもチャンスが数本訪れるという見応えのある展開でした。 そして、ユベントスのこの攻撃的フォーメーション面白い。
前線の4人がボールを受けるところが非常にいいのです。そして、そこにビシッとパスを出せるディフェンスラインとボランチの選手のパス制度の高さが素晴らしい。この試合も素晴らしい縦パスが何本も入っていました。
そして攻撃だけでなく、前線の選手が守備にもかなり奔走していました。特にサイドハーフのクアドラード、マンジュキッチはかなり戻っていましたし。そのため、インテルもサイドの数的優位が簡単に作れる感じでもなかったです。
インテルもそんなに良かったのですが、ユベントス相手に攻め手が少なかったかなという印象。右からの攻撃ももう少し迫力が欲しいのと、中央のコンビネーションも増えるといいかなと思いました。
さすがイタリアダービー、レベルが高くて面白い試合でした。
コメント