2016-2017シーズンのプレミアリーグ第23節のリバプール対チェルシーが、日本時間の2017年2月1日の5時から行われました。この試合、NHKのBSでの録画放送が早めにされていました。それを見たので、戦評というか個人的な感想を書きたいと思います。
見所
首位を走るチェルシー。対してリバプールは勝ち点差10の4位。そして、リバプールはここのところ調子を落としている様子。是が非でも勝ち点3が欲しいリバプールが、ホームでチェルシーを迎えるということで、リバプールは前線からガンガン行くでしょう。
そのため、リバプールが攻めて、チェルシーががっちり守備をするという展開が予想されます。チェルシーはリーグ最少失点、対してリバプールはリーグ最多得点をそれぞれ誇ります。しかし、カウンターの威力があるチェルシー。リバプールもその一発が恐いところでしょう。
そして、リバプールは調子を落としているので、ここで負けてしまうとこのままズルズルといってしまいそうな予感もします。個人的にはリバプールを応援したいのですが、3バックになってからのチェルシーのサッカーは見応えありますし、強さも感じています。
スタメン
リバプール
フィルミーノ
コウチーニョ ララーナ
ジャン ワイナルドゥム
ヘンダーソン
ミルナー クライン
ロブレン マティプ
チェルシー
アザール ウィリアン
アロンソ モーゼス
マティッチ カンテ
個人的な注目選手
このレベルになると全員注目なのですが、コウチーニョのコンディションがどのくらいなのかが気になるところです。最近?怪我から復帰したそうなので。やっぱり試合を決める力を持っている選手の出来はこのレベルになると大きくなりそうですし。
チェルシーは、カンテです。YouTubeでハイライトを見るくらいで全部をチェックできてはいないのですが、カンテは強豪で前からガツガツくる相手(マンチェスター・シティとか)だとボールを失う機会が多く見えるのです。そして、そこからピンチになったりするので、カンテの出来は大事かなと。あとは抜群の守備力も重要になってくるでしょう。
前半
ほぼリバプールがボールを支配しています。ボールを奪われても、切り替えが早く、すぐに奪い返します。前線の3人、中盤の前2人の選手達が特に走りまくってました。これだけプレスをかけられると、さすがのチェルシーもボールを全然つなぐことができませんでした。前にロングボールを蹴る隙もないので、近くに繋ぐことになるのですが、そうするとまた人がすぐ寄せてくるという感じでした。特に15分くらいまでは。
ただ、チェルシーもボールを支配はされていますが、守備が堅いのです。プレスも早いですし、最後のところをきっちり固めています。そんな堅い守備をリバプールもなかなか崩しきることができません。守備時には5バックになるチェルシーの守備にリバプールも手こずります。トップの3人が流動的に動きながら攻めますが、なかなかシュートまでいけない展開。
時間が経つにつれて、チェルシーが紙一重の差でリバプールのプレスをかいくぐったり、ロングボールからチャンスになりかけるシーンも徐々に増えてきました。リバプールに前に重心がかかっている分、そこを抜けられてしまうとピンチになりやすくもあります。特に一本で抜け出されるのは一番キツいでしょう。
そして、25分アザールがファウルをもらいます。このフリーキック、ウィリアンが蹴るような雰囲気を醸し出しています。しかし、蹴ったのダビド・ルイス!素晴らしい無回転シューとがポストに当たって、ゴールに吸い込まれます。ウィリアンが蹴るとおもっていたミニョレは、まだ味方に指示を出しているところでした。トリックプレーのような感じ。しかし、普通に蹴っていても入ってたかもしれないほどん素晴らしいシュートでした。
ただ、その後もリバプールがボールを持って、チェルシーが守るという構図は変わりません。しかし、リバプールも徐々にペースが落ちてきてボールを奪う回数も減り、ファールが増えてくるようになります。守備の堅いチェルシーを崩すことができずに前半終了です。
後半
リバプールは前半の立ち上がり同様、前からガンガン行きます。そして、後半は崩しきれなかった前半の修正をしたのか、早めにボールを前に入れることが多くなります。裏への意識が高くなっています。DFとGKの間にボールを早めに入れてきます。また、二列目のジャンやワイナルドゥムも飛び出して行きます。そして、ミルナーも前半よりも上がる回数が断然多かったように見えました。
4分には、リバプールが素晴らしいカウンターからビッグチャンスを作ります。しかし、このチャンスをフィルミーノが決めることができませんでした。ただ、やはり早い攻撃の方がチャンスが作りやすいようです。チェルシーに守備を固められるのは厳しいです。だから、戻る前に攻めてしまおうと。だから後半早めにボールを前線に送っていたのでしょう。しかし、チェルシーの切り替えも早いので、簡単にはやれせてくれませんが。
リバプールがチャンスを多く作っていた形があるのです。ヘンダーソンからのロングパスというかサイドチェンジから、チャンスが結構できかかってました。右サイドでララーナ、クライン、もしくはフィルミーノなどからの落としをヘンダーソンが逆サイドに上がってくる、ジャンやミルナーにダイレクトであげるという形が多かったです。これは明らかに狙っているようでした。
チェルシーは似たような形でトッテナムに点を取られているのです。落としをもらった、エリクセンペナルティエリアの角くらいから、ファーサイドにクロスを上げてデレ・アリが決めるという形です。この形チェルシーの弱点なのかもしれません。
そして、12分にこの形で得点が生まれます。 ララーナのシュートのこぼれ球をヘンダーソンがダイレクトでファーサイドに飛び出しミルナーに振ります。ミルナーの折り返しをワイナルドゥムが決めました。
ここからどちらも一進一退の攻防が続きます。リバプールがボールは支配しますが、チェルシーもカウンターでチャンスを作ります。26分にチェルシーはアザールに替えてペドロを投入します。おそらく、右サイドの守備を強化したいという狙いもあったかもしれません。リバプールもマネをコウチーニョに替えて投入します。コウチーニョ、やはり万全ではなかったのでしょう。
31分にチェルシーがビッグチャンスを作ります。一発のパスでジエゴ・コスタが抜け出してPKを得ます。微妙な判定に見えましたが。ただ、このPKをミニョレがストップします。ミニョレすごい!
そして、チェルシーは38分ウィリアンに替えてセスクを投入します。チェルシーは負けなければいい、という意図があるのかなと思っていました。しかし、セスクが絶妙なパスでチャンスを演出しているのです。中盤の人数を増やすのが狙いかと思っていましたが、セスクの投入でチャンスが増えていました。
45分には、リバプールはララーナに替えてオリジを投入します。チェルシーはロスタイムにジエゴ・コスタに替えてバチュアイを投入しますが、そのままタイムアップ。1-1のドローに終わりました。
総評
レベルの高い試合でした。どちらも切り替えが早い。特に守備意識の高さは目をみはるものがありました。あれだけ上手い選手があれだけ必死にボールを追い回しているのが素晴らしいです。
そして、どちらのチームもCBの前に出る守備が効いていました。縦パスや楔のパスが入る時に前に出て、ガツンと相手を潰すのです。この守備のおかげで、チェルシーはリバプールにバイタルエリアをあまり使わせていませんでしたし、リバプールはカウンターを未然に防いでいました。チェルシーのダビド・ルイスはセンタリングもほとんど跳ね返していたので、かなり効いてたと思います。
あとは中盤の選手達の守備レベルの高さがすごい。特にリバプールはヘンダーソンです。危険なスペースを未然に防ぐ能力が非常に高いです。そして、時にはCBのカバーまで行きます。チェルシーはやはりカンテの寄せの速さとボール奪取能力は効いています。カンテはボールをとられるシーンが割と多かったのですが、自分で取り返してしまうのです。
リバプールはコウチーニョやマネが万全のコンディションだったらなーとやっぱり思ってしまいます。そして、クラインも。最後のところで崩しきれなくても、コウチーニョのミドルやマネの突破があったらな、と思ってしまいます。タラレバですが。
ただ、やはりプレミアの上位対決はレベルが高くて面白かったです。
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